ラ・カスタとの出会いは通っていた美容室でした。シャンプーのとき、あまりに良い香りで、美容師さんに尋ねたことを覚えています。数年後、転職活動中にショップスタッフの求人を見つけたときは、これは運命かもと思いました。最初の職場は福岡の直営店。BAの経験があったのでスキンケアの知識はありましたが、ヘアケアはまったく。研修で教わった通りに自分でも髪質を意識したケアをするようになると、剛毛で扱いにくかった私の髪がみるみるきれいになって感動しました。髪に合ったお手入れでこんなにも変わる体験を、一人でも多くのお客様にお届けしたい。それを目標に、毎日たくさんの髪のお悩みに向き合ってきました。名古屋の直営店店長、そして憧れていた伊勢丹新宿店の店長とキャリアも重ねながら、カウンセリングを通して、多くのお客様に髪が美しくなる喜びを感じていただけたことは私の財産となっています。
それまで販売一筋でやってきたのですが、あるとき会社から「これまでの経験を生かして本社で働いてみないか」という提案をいただきました。 本社ではまず営業部で、卸部門の業務を学びながら担当の得意先を持って、私が売場で培った接客スキルを得意先の売場支援に生かしたりしました。ある企業様の商品研修で“売場でお客様に響くポイント”をアドバイスしたところ、なかなか売れなかった商品の月間販売本数が10倍に！「商品のことがよくわかると売りやすいです」とのお声もいただき、自分が売場に立つ以上に、多くのお客様の髪を美しくできる手応えを感じました。そして現在はショップ部で直営店の売上管理や運営支援を行いながら、トレーナーとしてショップスタッフの皆さんのスキルアップをサポートしています。私の経験をどのように伝えたら、より現場で役立つものになるのか、試行錯誤しています。
今はスタッフの教育に力を入れています。ラ・カスタの商品は100を超え、覚えなければならない知識が数多くあります。さらにお客様の髪を細部まで見て、必要なケアをお伝えするカウンセリングのノウハウが必要です。それらを体系だったプログラムの中で身に付けてもらえる教育研修制度づくりに携わっています。スタッフトレーニングの際に伝えたいことはたくさんあるのですが、あえていっぺんには伝えず、お客様一人ひとりの髪のお悩みに寄り添いながら、その都度必要な知識や技術を学んでいってほしいと考えています。私も継続的にサポートしていきたいです。ショップスタッフの仕事はお客様の髪を美しくすること。髪に自信がついたお客様から「あなたに会えて良かった」と言っていただける幸せを、すべてのスタッフの皆さんに感じてもらえたら、これほどうれしいことはありません。
